「万博」と「歯科医療」——未来社会における健康と技術の交差点
こんにちは。玉造駅からすぐのパチャ歯科クリニックです。
今回は万博と歯科についての観点でお話しさせていただきます。
万国博覧会(万博)は、国家・企業・研究機関などが最新の技術や文化を持ち寄り、社会の課題解決と未来のビジョンを提示する、言わば「文明の実験場」である。一方、歯科医療は、日々の生活に密着した個人単位の健康を支える医療領域であり、その社会的貢献は個人のQOL(生活の質)に直結しています。
この2つの間に、一見すると直接的な関連はありません。しかし、現代およびこれからの社会が直面する課題——超高齢社会、医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)、地域格差の是正、サステナビリティなど——に目を向けたとき、万博と歯科医療は思いのほか密接に接点を持ちます。
■ 高齢化と口腔機能の維持
日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進行しています。この現実に対し、万博ではしばしば「未来の福祉」や「長寿社会における生き方」といったテーマが取り上げられます。歯科医療の領域でも、口腔機能の低下はフレイル(加齢による虚弱)や認知症リスクに深く関与していることが明らかになっており、健康寿命の延伸には歯科的介入が不可欠です。
すでに一部の歯科大学や企業では、義歯とセンサー技術を融合させた“スマートデンチャー”や、咀嚼データをクラウドに送信して健康状態を管理するシステムが開発されています。これらは、2025年大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にも親和性が高い技術であり、社会実装に向けた出展が期待されています。
■ 歯科医療とデジタル技術の融合
近年、歯科領域ではAI診断、3Dプリンタによる補綴物作成、遠隔診療の導入など、医療とICTの融合が急速に進んでいます。これらの技術は、万博の文脈で言えば「スマートヘルスケア」「医療の個別最適化」などのカテゴリに該当します。
例えば、離島や過疎地でも質の高い歯科医療を受けられるよう、歯科用口腔内スキャナーとAI診断を組み合わせたモバイルユニットが注目されており、地域医療格差の解消に資する可能性があります。こうした技術は、万博が掲げる「誰一人取り残さない」未来社会のビジョンとも重なります。
■ 歯科医療の社会的意味と万博の役割
万博が果たす最大の役割は、未来社会における価値観の転換点を可視化することにある。これまでの工業的・産業的な成長から、今や「いのち」「幸福」「共生」といった非経済的な価値への移行が進んでいます。歯科医療もまた、単なる治療から「予防」「生活支援」「社会参加の支援」へとシフトしている点で、この価値転換の潮流の中にあります。
特に、口腔は「食べる」「話す」「笑う」という、人間の尊厳や社会的つながりの根幹に関わる機能を担っており、歯科医療はその維持と回復を通じて、人間らしい生活の質の保証に貢献しています。
■ 結びに
万博が「未来を見せる」場であるならば、歯科医療は「未来を支える」基盤の一つです。両者はスケールもアプローチも異なるが、どちらも人間の幸福と社会の持続可能性に寄与しているという点で、共通の未来志向を持ちます。
そして今、歯科医療は、単なる医療行為にとどまらず、テクノロジー、福祉、教育、まちづくりといった複数領域との連携によって、より社会的な存在へと変貌しつつあります。こうした動向を万博という舞台でどう伝え、社会とどう共有していくかは、これからの歯科界にとっても、大きな課題であり可能性です。